どうもこんにちは!専業FXトレーダーの森川コウタです。
このブログでは、身体を壊すほどの過酷な会社員生活に終止符を打つため
FXを始めたものの損失が500万円をオーバーするという
無残な負けトレーダーだった私がマルチタイムフレーム分析の習得をきっかけに
専業トレーダーにまでなった経験を活かして、思うように成果を残せない方に向けて
FXトレードに関する様々な情報を発信しています。
今回は「移動平均線」についてお話しします。
あなたは移動平均線を表示させていますか?
表示させていたとして正しくトレードに活用できているでしょうか?
移動平均線はおそらくインジケーターの中では最も有名で
使っているトレーダー数も世界一ではないでしょうか。
トレードについて学べば避けては通れないほど
ブログ、教材、YouTubeなどあらゆる場所で紹介されています。
移動平均線の活用方法としてよく言われているのが
- 移動平均線の”傾き”でトレンドの強弱を判断する
- 複数の移動平均線の並びでトレンドの強弱を判断する
- 移動平均線での反発やブレイクをエントリーサインとする
というような内容が多いです。
どれも移動平均線の使い方の説明としては間違ってはいませんが、
これだけでは内容が漠然としており”現場”では使えないのも事実です。
本記事では
- 移動平均線とはそもそも何なのか?
- 移動平均線が”機能”する理由は?
- 正しい「期間設定」はいくつなのか?
- 結局のところどのように使えばいいのか?
など、移動平均線についての疑問を解消しながら
より実用的な使い方を解説していきます。
本記事を最後まで読んでトレードの勝率アップにつながる
正しい移動平均線の使い方をマスターしましょう!
移動平均線の基礎知識
①移動平均線ってなに?
移動平均線とは「任意に設定した期間」の価格の平均を線で結んだもので、
英語では「Moving Average」と言い、「MA」と略して呼ばれることもあります。
移動平均線は”平均”の算出方法により種類が分かれますが、
本記事では「単純移動平均線」と呼ばれる最もポピュラーな
移動平均線を想定してすすめていきます。
例えば期間を”5”に設定したとすると、直近5本分のローソク足の終値の平均を
線で結んだものが移動平均線になります。
具体的には以下の図のような移動平均線が描画されます。
ローソク足5本分の終値①~⑤の平均価格が❶です。
ローソク足の終値➅が確定した時点で、
直近のローソク足5本分の終値②~➅の平均価格である❷が確定します。
ローソク足の終値⑦が確定した時点で、
直近のローソク足5本分の終値③~⑦の平均価格である❸が確定します。
このように、直近の「任意の期間の本数分」のローソク足データをもとに
描画されていくのが移動平均線です。
移動平均線を表示させることで
現在値は平均より高いのか安いのかが一目でわかります。
そして、移動平均線に角度があれば上昇や下降の”強さ”が推し量れますし、
角度が無ければ”方向感の無さ”を窺うことができます。
長期的な傾向を読み取るためには期間設定を長く、
短期的な傾向を読み取るためには期間設定を短くします。
また、移動平均線はトレンドラインのように
サポートラインやレジスタンスラインとして機能することもあります。
移動平均線を基準に買われたり売られたりしやすい、ということです。
このように移動平均線は、上手に使うことで
環境認識にもエントリーにも使用できるとても便利なものなのです。
②移動平均線のベストな期間設定とは?
移動平均線のベストな期間設定はどれくらいでしょうか?
よく使われる一般的な期間設定は、
200、100、75、50、25、21、20、14、10 などですが、
残念ながら「勝率の高い期間設定」というものはありません。
移動平均線を基準に買われたり売られたりしやすい、
というお話をしました。
ちょうど以下の図のようなイメージです。
この図では期間設定の違う複数の移動平均線が表されていますが、
オレンジの移動平均線に沿ってチャートが下降しています。
オレンジの移動平均線がレジスタンスとして機能し、
売り注文が入っている様子が分かりますね。
一方でオレンジ以外の移動平均線はチャートとは違う場所を通っています。
このように移動平均線はその時々で”機能”する時としない時があります。
一体なぜでしょうか?
そもそもチャートとはトレーダーの「注文」によって動いています。
「注文」が集中することで一方向に進行するわけです。
例えば、ある移動平均線を起点に大きく下がり出せば、
「次も同じ移動平均線から売られるかもしれない」という相場心理が生まれ、
そう考えるトレーダーが多ければ実際にそのようにチャートは動きます。
実際に移動平均線から値が下がり出せば
「次もこの移動平均線から売られるだろう」という相場心理が働き、
再び移動平均線から値が下がりやすくなります。
このようなプロセスで”機能している移動平均線”が生まれています。
”機能している移動平均線”の期間設定はその時々で違います。
要するに、「ベストな期間設定の移動平均線」を追い求める必要はなく、
「世界のトレーダーの多数に意識されている移動平均線」があれば、
それを同じように意識できることが大切です。
移動平均線を単なる「ライン」として妄信するのではなく
その裏にある「相場心理」にこそ意義があることを覚えておきましょう。
移動平均線の具体的な使い方
それでは続いて、移動平均線の具体的な使い方を紹介します。
”理想的なトレード”には以下の4つのプロセスがあります。
- 環境認識
- トレードプラン
- エントリー
- イグジット
移動平均線はどのプロセスでも使うことができるので
その使い方を順番に見ていきましょう。
①環境認識に使う
環境認識とは、上位足を使ってその時の”相場環境”を把握する作業です。
デイトレードであれば4時間足以上が上位足と言えます。
「相場環境を把握する」とは、その日の相場の全体的な方向感や、
サポート、レジスタンスとして意識されそうな価格をチェックし、
売り買いの攻防がどこで起こるのかを把握することです。
移動平均線だけで環境認識のすべてをできるわけではありませんが、
上位足の移動平均線の傾きを見れば単純な方向感は読み取れますし、
過去に意識されている移動平均線があれば注目することができます。
下のチャートを見てください。
右肩上がりの移動平均線に支えられながら上昇していることが分かります。
また、赤〇のようなポイントをいくつか確認できれば
「今はこの移動平均線が意識されているな」ということが分かります。
であれば移動平均線付近からの買いを検討することができるし、
売るなら移動平均線を下抜けてから、と考えることもできます。
②トレードプラン策定に使う
環境認識ができた後はトレードのプランを立てます。
環境認識で把握した相場の背景をもとに
チャートがどのような軌道を描く可能性があるのか、
その中でどのように動けばエントリーするのか、を
ざっくりと決めておきます。
トレードプランは自分が狙いたい波のサイズに合った時間足で立てます。
デイトレードであれば1時間足ぐらいのサイズが自然ですね。
トレードプランの立案は、目先の値動きにただ反応するのではなく、
”想定通りの値動きに対して予定通りにエントリーする”ために必須です。
トレードプランを立てる際にも移動平均線は役に立ちます。
下のチャートを見てください。
緑のボックスレンジを上抜け、さらなる上昇がイメージできる場面です。
よく見るとレンジを上抜いた波の起点に移動平均線があることが分かります。
このことからも、上昇後に移動平均線まで値が戻ってくれば買われやすい、
と考えることができます。
つまり「移動平均線までの戻りを待って押し目買い」というプランを立てることができます。
(チャート内オレンジの軌道)
また、移動平均線付近からの買い勢力に注目することで
逆に「押し目買いが失敗に終わった時の買い勢力の撤退による下落」を
狙い撃つプランを立てることもできます。(チャート内水色の軌道)
このように、どこに注文が集まるかを事前に察知することで
チャートの軌道をトレードプランとして想定しておくわけですが、
”機能している移動平均線”は注文の集中を読みやすいポイントの1つです。
③エントリーに使う
上位足の環境認識と、1時間足でのトレードプラン立案で移動平均線を使ってみましたが、
もとろんエントリーに使うこともできます。
1時間足で立てたトレードプランが実現するかどうかは
さらに下位足、つまり15分足や5分足を見ることで見極めます。
先述した1時間足でのトレードプラン、
「1時間足の移動平均線までの戻りを待って押し目買い」というプランを立てたつもりで
下のチャートを見てください。
5分足チャートに5分足と1時間足それぞれの20期間の移動平均線を表示しています。
「1時間足の移動平均線までの戻りを待って押し目買い」というプランに従い、
1時間足の移動平均線まで戻ってきたところで下位足の値動きに注目します。
水色ボックスの持ち合いを形成し、それをブレイクすることで値が上昇していきます、
赤〇の上昇の起点である5分足の移動平均線が”機能”して、
安値を支えながら右肩上がりに上昇していくのが分かると思います。
しばらく上昇すると勢いが弱まり5分足の移動平均線を割り込みます。
そして1時間足の移動平均線付近まで値が戻ることで水色ボックス持ち合いを形成し、
再び同じような上昇が発生しています。
赤〇でのエントリーが理想ですが、
赤〇から買えなかったとしても、
5分足の移動平均線を基準に戻りを待ってエントリーすれば
十分に利益が得られそうですよね。
こんな風に、1時間足の波の「動き始め」は、
下位足の波を見ることで捉えることができます。
その際に、下位足の移動平均線にも注目することで
トレードの優位性が増すことにつながります。
④イグジットに使う
エントリーに下位足の移動平均線を使いましたが
イグジット、つまり”決済注文”にも移動平均線は使えます。
下のチャートを見てください。
赤〇で買いエントリーしたとして、
1時間足の移動平均線からの上昇が
5分足の移動平均線に支えられながら上昇しています。
青〇はイグジットに移動平均線を用いた場合の利益確定ポイントを示しています。
5分足の移動平均線に支えられながら上昇しているわけですから、
5分足の移動平均線を下抜けた時点で利益確定する、ということです。
このように下位足の移動平均線をイグジットに利用することで
効率よく利益を伸ばすことができます。
まとめ
- 移動平均線の基礎知識
- 移動平均線とは
- 移動平均線の期間設定
- 移動平均線の具体的な使い方
- 環境認識
- トレードプラン
- エントリー
- イグジット
移動平均線について長々と解説しましたが、
やはり重要なのは「機能している移動平均線かどうか」です。
注目度が高いかどうか、と言い換えることもできますね。
移動平均線に限った話ではないですが、
相場が注文によって動く以上は、
常に注文が集中するポイントでトレードする必要があります。
移動平均線であれば、
多くのトレーダーが使っているであろうオーソドックスな期間設定にすべきだし、
何度も意識されている移動平均線は自分も意識すべきです。
逆に、自分しか設定していないような特殊な期間設定をしたり、
「移動平均線があるから」という理由だけでトレードの根拠にしてしまったり、
傾きの無い移動平均線にも注目してしまったり、
あなたにはそんな経験はありませんか?
移動平均線は最もポピュラーなインジケーターですが、
だからこそ利用しているトレーダーは多く、
それゆえに”最強のインジケーター”なのです。
移動平均線の正しい使い方や考え方を知ることで、
あなたのトレードの勝率が少しでも上がることを願います!
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