どうもこんにちは!専業FXトレーダーの森川コウタです。
このブログでは、身体を壊すほどの過酷な会社員生活に終止符を打つため
FXを始めたものの損失が500万円をオーバーするという
無残な負けトレーダーだった私がマルチタイムフレーム分析の習得をきっかけに
専業トレーダーにまでなった経験を活かして、思うように成果を残せない方に向けて
FXトレードに関する様々な情報を発信しています。
今回は「トレードのコツ」をひとつご紹介します。
それは、記事タイトルにもあるように「チャートの”感情”を読むこと」です。
感情を読むとはどういうことでしょうか?
FXチャートとは単に時間と価格の推移をモニターに映したものであり、
初心者トレーダーには特に、一見すると無機質な印象を受けるものです。
もちろん時間と価格、その推移の仕方をデータとして読み取る必要もあります。
しかし、実はチャートとはあなたが思う以上に
生々しい感情にまみれ、人間味にあふれているものなのです。
無機質なデータの連続としてチャートを眺めるだけではなく、
感情的、心理的な要素を情報として得られるようになることで
トレードの勝率は劇的にアップします。
是非この記事を最後まで読んで
チャート内の”感情”と向き合ってみて下さい。
チャートはなぜ動くのか?
そもそもチャートはどういう原理で動くのでしょうか?
例えばドル円チャートは「1ドルあたりが現在何円なのか」の変動を表しています。
ドルを買いたい人が多ければ1ドルあたりの価値が上がり、
ドルを買いたい人が少なければ1ドルあたりの価値は下がります。
通貨に限らず世の中のいろいろな物がそうであるように
需要と供給のバランスによって価格が刻一刻と変動しているわけですね。
もっと簡単に一言で言ってしまうと
チャートは注文によって動いている、と言い換えることができます。
買い注文が多ければ上がり、売り注文が多ければ下がる。
相場は売り買いの注文の多数決によって動いています。
FXトレードでいう注文とは「新規発注」だけではありません。
買い注文を決済するときは「売りの決済注文」を、
売り注文を決済する時には「買いの決済注文」を出しますよね。
売りと買いの新規注文、売りと買いの決済注文。
これらがチャートを動かす原動力のすべてです。
そしてこれらの注文の裏には、
トレーダーの”感情”が必ずあります。
注文の裏にある”感情”とは
あなたがトレード中に感じる感情を思い出してみて下さい。
「ここからならいける!エントリー!」
「よしよしその調子!伸びろ伸びろー!」
「はい、ここで利益確定!よっしゃー!」
みたいなポジティブな感情もあれば、
「あー、だめだ損切りしよう…」
「こんなことならエントリーしなければよかった…」
「もうやめて…どうしよう…こんなことになるなんて…」
というネガティブな感情を抱くこともあるでしょう。
これは何もあなただけに限ったことではなく全世界共通です。
期待、喜び、達成、不安、恐怖、絶望、焦り etc…
熟練したトレーダーほど感情に流されるようなトレードはしませんが、
どんなトレーダーでも勝つためにトレードをしていますので
勝てば嬉しいし負ければガッカリします。
たとえ利益確定や損切りを予約していたとしても、
EAによるシステムトレードだったとしても、
ルール作りには少なからず感情が介入します。
どこまでいってもトレードは「人間の営み」であるということですね。
そしてトレードの際には、いろいろなトレーダーの視点に立って
彼らの「感情」を”できるだけリアルに”想像してみて欲しいのです。
他者の感情を想像しよう①
例えば下図のような波があったとします。
上昇した黒の波が一旦下がって来たところです。
黒の波の下降波を拡大すると小さな下降トレンドが形成されていますが、
黒の波に注目すると、いかにも押し目買いが考えられそうな場面です。
この場面ではこんなトレーダーが多くいます。
- 期待を膨らませ押し目買いのタイミングを見計らっているトレーダー
- 上昇を確信しすでに買い注文を入れているトレーダー
これから買いたいと思っている、あるいは買ったばかりのトレーダーですね。
彼らの「感情」を想像してみるとこんな感じでしょうか。
押し目買いは値動きのセオリーです。
上昇波が「然るべき位置」まで下がってきたときには
押し目買いを狙いたいトレーダーが必ずいます。
他にこんなトレーダーもいます。
- 既に下の方から買い注文を持って続伸を期待するトレーダー
- 最高値近辺で買ってしまい含み損を抱えているトレーダー
既に買い注文を持っているトレーダーです。
各々が注文を入れたレートによって含み益と含み損を抱えるトレーダーに別れます。
彼らの感情はこんな感じです。
例え上昇中でもジグザグしながら上昇するのが相場です。
買い注文を保有したまま「調整の下落」を見守るトレーダーも多いです。
押し目買いにより再度の上昇を信じつつも、
含み益が減って、あるいは含み損が出てしまって不安を感じるトレーダーもいます。
さらに、こういうトレーダーもいます。
- 一旦下落する値動きを狙い、高値付近で売ったトレーダー
- 高値からの小さな下降トレンドを売りで狙うトレーダー
- 直近の上昇が起こる前に売ってしまい含み損を抱えるトレーダー
彼らは「買い」ではなく売りポジションを持っているトレーダーです。
売りトレーダーはこんな風に思っています。
ジグザグと動く相場の習性に従い、上昇波の最高値で売る”逆張り”トレーダーや
下位足チャート(水色の波)を見て一時的な下降トレンドを売るトレーダーもいます。
「黒の波の押し目買い」による上昇が始まるのなら利益確定した方が良さそうですね。
さて、いろいろな立場のトレーダーの現時点での感情を想像できたところで、
それを踏まえてチャートを先に進めてみましょう。
少し様子を見ていると以下のような波を形成しました。
黒の波の下降波を形成する小さな波が”戻り高値”を上抜き上昇トレンドに転換しました。
こうなると、各トレーダーの感情が動き始めます。
黒の波はもともと上昇中ですが、水色の波が下降から上昇に転じたことで、
黒の波と水色の波の目線が一致したことになります。
黒の波にも水色の波にも、上昇を狙うトレーダーが存在し、
彼らの”新規買い注文”がまとめて入り始めます。
一方で売り注文を持っているトレーダーはこれ以上買い注文が入って
上昇が始まってしまう前に”決済の買い注文”を入れて撤退を始めます。
期待に踊る買いトレーダーの新規注文と、
歯を食いしばり撤退する売りトレーダーの決済注文が集中するわけです。
このように各トレーダーの「感情」によって注文が入り、
その「注文」の方向が重なることで、実際に価格が動き出します。
そして、動き出した価格を見てさらに注文が集まり値が伸びていくのです。
他者の「感情」を的確に想像できるようになれば、
その感情に自分の注文を”ぶつける”だけで
面白いように値が伸びる直前にエントリーできるようになります。
他者の感情を想像しよう②
さて、先ほどは黒の波の押し目買いが成功する場面を考えてみましたが
違うケースでも考えてみましょう。
下図のように押し目買いが「失敗」することだってあります。
押し目買いによる上昇がセオリーなだけに
売りトレーダーにとっては嬉しい展開、
買いトレーダーにとっては素養外の望ましくない展開です。
こんなとき、各トレーダーの感情の動きはまた違うものになります。
このように、各トレーダーの感情は先ほどとは真逆ですが、
ここでも”新規売り注文”と”決済の売り注文”による
「注文(=感情)」の集中が起こっていることが分かりますね。
ここまで「黒の波」と「水色の波」にフォーカスしたお話しでしたが、
実は「注文(=感情)」の集中とは、その規模に違いはあれ、
あらゆる時間足の波で頻繁に起こっています。
月足から1分足まで、それをトレードするトレーダーはいますから
同じ理屈で、同じようにチャートは形成されています。
他者の感情に注目することができるようになれば
こうしたポイントが事前に分かるようになり、
「狙う値動き」も次第にパターン化されてきます。
リアルチャートでは例えばこのようなところです。
他者の注文が集中するポイントで値が伸び、持続していることが分かります。
あなたも是非、「他者の感情」に注目して
いろいろな時間足の過去チャートを眺めてみて下さいね。
まとめ
- チャートはなぜ動くのか?
- 他者の感情を想像しよう①
- 他者の感情を想像しよう②
無機質なチャートから、トレーダーの感情を読み取るお話をしました。
慣れてくると「自分がどう思うのか、どうしたいのか」を考えるのではなく
「他者がどう考えるのか」だけにフォーカスしてトレードができるようになります。
チャートとは売り買いの多数決によって方向が決まりますから、
本来は”自分という一人のトレーダー”の意見はどうでもよく、
「自分以外の大多数の他者がどう考えるのか」を考えるべきなのです。
そのような視点でチャートを見ると、
いろんな感情が重なったり、ぶつかり合ったりしている様がよくわかり、
これまでとは違った景色になることでしょう。
トレードの”勝率”や”利益の幅”、”安心感”が間違いなく向上するはずなので
トレードの時はもちろん、過去チャートを振り返る際にも
積極的に意識してみて下さいね。
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