どうもこんにちは、専業FXトレーダーの森川コウタです。
このブログでは、過酷な会社員時代にFXを始め
ボロボロの負けトレーダーだった私が
マルチタイムフレーム分析の習得をきっかけに
専業トレーダーにまでなった経験を活かして、
思ったように成果を残せない方のために
勝ちトレーダーになるための様々な情報を発信しています。
今回は、私が負けトレーダーから専業トレーダーになるまでに
「やめてよかった」と思うことを書いていきます。
私自身の経験上、
トレードで勝てるようになることはそう簡単ではありません。
一貫した理論を身に付け、毎日の値動きに臨機応変に対応するだけの
知識や経験が不可欠ですが、
これらは一朝一夕で身につくものではありません。
もちろん”勝ちトレーダーになるため”には避けては通れないことですが、
何かを”身に付ける”には多くの時間を割く必要があります。
トレードがうまくいかない初心者トレーダーは
その原因に自分ではなかなか気づくことができません。
それどころか自身の敗因を
「知識不足」や「技術不足」だと思い込んでしまいます。
その結果、
目新しい”手法”のようなものやインジケーターに答えを求めたり、
細かいエントリーポイントの改善にこだわったり
”新しい何か”を身に付けることにフォーカスしてしまいがちです。
実際、あなたが勝てるようになるまでに
知らなければいけない知識や
身に付けなければならない技術はたくさんあるでしょう。
しかし、勝てない理由は知識や技術以外にもあるものです。
”損益に対する考え方”や”トレードに向き合う姿勢”など
あなたの心持ち1つで改善できることがたくさんあります。
ちょっとした気づきから劇的に成績が向上することだってあります。
本記事では、私が初心者トレーダーだったころを思い出し、
「やめてよかったこと」をいくつかご紹介します。
直接的なトレードの知識や技術以外の部分を取り上げるので
あなた次第で今すぐにでも改善できることばかりです。
是非この記事を最後まで読んで、
トレード成績向上に役立ててくださいね。
その1:メンタルのせいにする
私がやめてよかったと思うことの1つ目は
上手くいかないことを「メンタルのせいにすること」です。
FXって、メンタルが重要とか、メンタルが強くないと勝てないという風に
よく言われます。
あなたにはこんな経験がありませんか?
エントリーした地点から逆行。
含み損がどんどんと膨れ上がり、耐え切れない額に…
これ以上の損失は許容できないからと断腸の思いで損切り。
その直後、エントリーしていた方向にぐんぐんと伸びていくチャート。
損切りしていなければ利益が出ていたのに…と愕然としつつ、
「含み損に耐えられるメンタルが無かったからだ」と反省する。
含み益のときにも、
含み益が減る前に決済しておこう、と利益確定した後に
大きく値が伸びていってしまい、早すぎる決済を後悔する。
そして「すぐに決済してしまうのはメンタルが弱いせいだ」と考える。
私は当時よくこんな風に「メンタルの弱さ」を改善すべき点だと考えていました。
これって本当にそうでしょうか?
今だからこそ言えますが、トレードと「メンタルの強さ」は無関係です。
含み損に耐え切れなくなるのも、
損切りの後でチャートが順行するのも、
利益確定後に価格が伸びていくのも、
適切な損切り設定やロット管理ができていないことや、
根拠のある「波」の予測ができていないことが原因なのであって
メンタルの強弱は関係ありません。
いくら気持ちを奮い立たせたところで
「恐怖や不安を感じない強靭なメンタル」などは存在せず、
不安や恐怖は”一貫したトレード理論”や”自身の成功体験”によって
払拭していくものなのです。
その2:何度もエントリーする
2つ目は「何度もエントリーすること」です。
しっかりした根拠に基づいたトレーダができないうちは、
上がりそうに見えるから買う、下がりそうに見えるから売る、と
ついつい感覚的なトレードをしがちです。
それで勝つこともあるわけですから
大きい金額にならないうちは
トレードが楽しい、スリルが楽しい、と思う人も多いでしょう。
そうなると今度は、
買いたいから上がるように見える、
売りたいから下がるように見える、という具合に
自らの願望が都合のよい解釈を生んでしまうことになります。
そして、負けトレードがあれば損失を取り戻すために
さらにトレードを繰り返します。
こうして1日に何度もエントリーをし、
繰り返せば繰り返すほど徐々に損失が増えていき、
膨れ上がった損失を取り戻すためロットを上げて…
多くの初心者トレーダーはこのようにして再起不能になるまで資金を失っていきます。
トレードには「リスク(損失が出る可能性)」が必ずあります。
繰り返せば繰り返すほど危険なものなのです。
それは熟練したトレーダーでも同じことですが、
彼らはリスクを受け入れて”可能性の高いポイント”を厳選することで
トータルで利益を上げています。
デイトレードレベルのトレードであれば
”おいしいエントリーポイント”はせいぜい1回か2回程度です。
私も駆け出しのころは1日に何回も、時には数十回ものエントリーをしていました。
どうしても良い結果が得られない時期に、
「1日1回だけ、ここ!というポイントだけトレードする」ようにしたところ、
トレード回数は激減しましたが、トータルの利益は跳ね上がることになりました。
ポイントを自分なりに”厳選”した結果であり、
”無駄な負けトレード”が減った結果でもあります。
トレードは「一球入魂」がもっとも利益を残しやすいのです。
その3:インジケーター、ツールを頼る
3つ目は「インジケーター、ツールを頼ること」です。
チャートの情報をうまい具合に視覚化することができる、
移動平均線やボリンジャーバンド、一目均衡表などの”インジケーター”や
フィボナッチリトレースメントやフィボナッチエクスパンションのような”ツール”は、
トレードの精度を上げるのに一役買ってくれる頼もしい存在です。
しかし、インジケーターやツールだけに頼ったトレードでは
なかなか継続的に勝つことは難しいものです。
インジケーターやツールから得られる情報は
ローソク足の形成あるいはチャートの波の形成の後からついてくる
言わば二次情報に過ぎません。
チャートそのもの、という一次情報を読み取ることを放棄して
二次情報にだけフォーカスしてしまうことは本末転倒なのです。
かつての私も、
- 移動平均線にタッチした瞬間にエントリー
- ボリンジャーバンドの2σで逆張り
- フィボナッチリトレースメントの50%や61.8%タッチでエントリー
などインジケーターを主軸に置いた手法を多用していました。
勝てれば「インジケーターやツールの正しさ」を実感し、
負ければインジケーターのパラメーターを調整する…
これでは一向に勝てるようにはならないし
むしろ値動きの本質から遠ざかっていく、ということが
今になってよくわかります。
値動きのメカニズムを理解し、一貫した理論でチャートに向き合えば
インジケーターやツールを使わない”すっぴんチャート”でもトレードは可能です。
インジケーターやツールは負けトレーダーを勝ちトレーダーにするためのものではなく、
勝ちトレーダーのトレードの精度を少しだけ向上させるためのものです。
始めは”すっぴんチャート”でのトレードに不安を感じるかもしれません。
しかし、だからこそ”値動きそのもの”にフォーカスできるようになり
だんだんと正しい考え方が身についていくのです。
その4:下位足チャートを見過ぎる
4つ目は「下位足チャートを見過ぎること」です。
ここで言う下位足チャートとは1分足や5分足、15分足くらいのチャートです。
下位足チャートの使い方は
”スキャルピングトレード”や”デイトレード”という
トレードスタイルによって変わります。
”スキャルピングトレード”は数秒から数分という短期間で小さな利益を積み上げるスタイルで、
下位足チャートの小さな値動きを一日に何度も狙っていくことができます。
”デイトレード”は数十分から数時間かけて「その日のメインの値動き」を狙うスタイルで、
1時間足チャートや4時間足チャートの値動きを狙うのが一般的です。
下位足チャートは精細なエントリータイミングを計るために使用します。
私自信は”デイトレーダー”であり、初心者の方にもデイトレードをおすすめしています。
スキャルピングトレードは日に何度もトレードでき、
上手になればロットを上げて短期間でも大きな利益を生むことができる魅力的なスタイルです。
しかし、下位足チャートのみを利用したトレードは、
- シビアなタイミング、トレード判断が求められる
- リスクリワードが悪くなりやすい
- 値動きに影響を与える上位足が多い
と、初心者にはかなり難易度が高いのです。
デイトレードで勝てるようになれば、
その応用としてスキャルピングに挑戦するのがいいでしょう。
さて、デイトレードではエントリータイミングを計るために下位足チャートを用いますが、
初心者トレーダーにはそういった感覚もありません。
かつての私の場合は、5分足チャートを見続けて押し目買い、戻り売りを狙い、
急騰、急落に飛び乗ることもよくありました。
スキャルピングやデイトレードという概念すらなく、
目先の値動きに飛びついて、決めていた値幅を獲れればラッキー、
という感じのトレードです。
「上位足での環境認識」の必要性を頭では理解していても、
上位足を開くのは最初だけで、常時見ているのは5分足。
これではなかなか安定した勝ちは得られません。
チャートには
月足、週足、日足、4時間足、1時間足、15分足、5分足、1分足、という
複数の時間足があり、それぞれにサイズの違う”波”があり、
これら複数の”波”が互いに作用しあって一つのチャートを形成しています。
常に下位足チャートを見ている状態とは、
町内の地図を持って県外へ行こうとしているようなもので、
”情報のサイズ感”がまったく合っていないのです。
まずは「どの波のどんな値動きをどこからどこまで狙うか」を決めて
その値動きに合った時間足を選択する必要があります。
デイトレードであれば、1時間足チャートを表示しておいて
そろそろエントリーかな…というタイミングで下位足チャートに切り替える。
これぐらいの感覚が良いと思います。
そうすれば無駄なトレードによる損失を負うことが減り、
結果として利益が多く残るようになるはずです。
その5:わからないことを無くそうとする
5つ目は「わからないことを無くそうとすること」です。
FXチャートは世界中のトレーダーや団体が参入し、
とてつもなく大きなお金が飛び交うことで動いています。
その中で「相場心理」が一致する所を読み解き、
利益を得るのがトレーダーの使命になるわけですが、
逆に言うと「相場心理」がバラけるところは値動きを読むことができませんし、
突拍子もない値動きになることだってあります。
ですからプロトレーダーは値動きのすべてを分かっているわけではなく、
「自分に分かるところだけ」をトレードしているのです。
トレードをしていても、過去チャートを振り返っていても
分からないことってたくさんあります。
例えば、”押し目買い”によってどこから上昇が始まるのか?
なんてことは世界中の誰に聞いても分からないことです。
ケースバイケースで毎回結果が異なることを定義することはできません。
戻り高値が曖昧な時、
どこを上抜けたら下降トレンドが終わったと言えるのか?
これだって「人による」としか言いようがない問題です。
あるラインを抜けたか抜けていないか微妙な時の判断は?
これも「抜けた」と考えるトレーダーもいれば
「抜けていない」と考えるトレーダーもいるはずです。
ちょっと例を挙げてみましょう。
ある注目されているラインがあるとします。
このラインを上抜けば上昇が期待できる、買いたい、というラインです。
”明確に上抜けた”なら分かりやすいですよね。
世界のトレーダーも「抜けた」と認知するでしょう。
買い注文が集まり価格は上昇していくはずです。
また、”明確に抜けなかった”のであれば、これはこれで分かりやすいです。
世界のトレーダーも「抜けなかった」と判断するでしょうから
そうなると価格は下がり出すのが自然です。
では”抜けたか抜けていないか微妙でわからないとき”はどうでしょうか?
世界のトレーダーの答えは「抜けたかどうかわからない」です。
そしてこんな時の値動きは、”わかっていない値動き”になります。
要するに、「抜けた」か「抜けていないか」の2択ではなく、
そのまま「分からない」というのが3つ目の答えになり得る、ということです。
私は負けトレーダー時代、
このような「分からないこと」に答えを出す必要があると思っていました。
過去チャートを振り返り、様々な統計をとって答えを出す努力をしました。
しかしこれでは、時間と労力が無駄になるだけです。
世界が分からないことが自分に分かるはずもありません。
相場とうまく付き合うコツは
考えても分からないことを「分からない」と分類することです。
分かること、分からないことをきっちり分けて、
分かることだけをやり続けるのが理想のトレードです。
まとめ
- やめてよかったこと① メンタルのせいにする
- やめてよかったこと② 何度もエントリーする
- やめてよかったこと③ インジケーター、ツールを頼る
- やめてよかったこと④ 下位足チャートを見過ぎる
- やめてよかったこと⑤ わからないことを無くそうとする
トレードでやめてよかった5つのことをご紹介しました。
かつての私を含め、初心者トレーダーはトレード技術向上のために
新たな知識を身に付けること、
身に付けた知識を上手に実践すること、
実践したことを検証すること、
など”現状の自分自身にプラスすること”にフォーカスして時間を費やすします。
もちろんそれはそれで必要なことではありますが、
時には”マイナスすること”、
つまり不必要なことをやめることで、
トレードに無駄がなくなり成績が向上します。
新たなことを身に付けるよりも
無駄なことをやめてしまう方がはるかに簡単ですから
まずは本記事で紹介した5つのことから、
そして今一度自身のトレードを振り返り、
捨てられる部分は勇気をもって捨ててしまいましょう。
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