FXはとりあえずリスクリワードを守っておけば負けないんでしょ?
リスクリワードについて、そんな風に軽~く認識してしまっていませんか?
FX用語で「リスクリワード」とは、
トレードにおける利益と損失のバランスや割合のことを指します。
リスクリワードを適切に保つことは基本中の基本。
ある意味で「それさえ守っておけば大きく負けることはない」とも言えます。
しかし。
トレードを重ねるうちに誰しもが、
なぜリスクリワードが大事なのか?
という、本質的なところから遠ざかってしまいがちです。
リスクリワードの本質を見誤ると
正しいトレードをしているつもりでも
気づかないうちに「負けやすい土壌」が出来上がっていきます。
本記事では、改めてリスクリワードについて解説するとともに
負けトレーダーが今すぐ改善すべき行動をまとめました。
いっこうに勝てるようにならない…
どんどん損失が膨らんでいく…
という人は現状を打破するきっかけになるはず。
リスクリワードとは?
リスクリワードとは、
損失までの値幅と利益確定までの値幅の比のことです。
”比”なので
リスク:リワード という形で表します。
ある地点でエントリーを考えるとき、
「ここまできたら損切りしよう」
「ここまできたら利益確定しよう」
ということを予め決めておきます。
例えば、損切りまでの値幅が15pips
利益確定地点までの値幅が30pips
であればリスクリワードは 1:2 ということになります。
仮に勝率が50%だとして
リスクリワードが1:2のトレードを繰り返すことができれば
資金はおのずと増えていくことになりますよね。
損失(リスク) | 利益(リワード) | |
勝ち | 30pips | |
負け | 15pips | |
勝ち | 30pips | |
負け | 15pips | |
合計 | 30pips | 60pips |
『1:2』ではなく『1:1.5』や『1:3』でも同じです。
リスクリワード、という考え方は
適切な資金管理、負けにくい環境づくり、という点で非常に重要。
高いリスクリワードを維持できれば
勝率が50%以下でも利益h十分に残せますし
「これを守っていれば負けない。資金が増えていく」
という状況こそがリスクリワードがもたらす恩恵なのです。
リスクリワードが「狂う」瞬間
さて、ここからが本題です。
リスクリワードという考え方自体は難しくないですし、
ありふれた考え方ではあります。
きちんと意識してトレードできている人も多いことでしょう。
しかし。
知らず知らずのうちに、
「リスクリワードがもたらす恩恵」を
手放してしまっている人は数多くいるんです。
私が教えている生徒さんにも本当に多いです。
「リスクリワード度外視でエントリーしてしまった」
「損切りを外してしまった」
というわけではなく
きちんとリスクリワードを意識できているのに、です。
リスクリワードが知らず知らずのうちに狂う、
その代表的な例を4つ挙げてみます。
値幅がバラバラ
一つ目は、トレードのたびに
損切りまでの値幅、利確までの値幅がバラバラなケース。
以下のような、3回のトレードを考えてみてください。
①損切り幅が10pips、利益幅が20pips。
②損切り幅が15pips、利益幅が30pips。
③損切り幅が60pips、利益幅が120pips。
仮に3回のうち2勝できたとしても
これだと勝ち負けの組み合わせによって
負け越してしまう可能性が出てきますよね。
トレード毎の値幅があまりにもバラバラだと
こういうことが起こります。
各トレードのリスクリワードが適切であっても
トータルではリスクリワードが狂うわけです。
慣れないうち、勝てないうちは特に
一定の値幅内に損切りが収まるポイントで
トレードするように心がけましょう。
チキン利食い
ポジションを持っておくプレッシャーに耐え切れず、
あるいは含み益が減るのが嫌だったり、
少しでもいいから利益が欲しくて
予定して利幅よりも手前で利確してしまうことを
「チキン利食い」と言ったりします。
損切り幅が25pips 利益幅が50pips
というトレードをしたものの
『実際には+10pipsの時点で逃げてしまった』
というような状況ですね。
負けてないからいいじゃない、と思われがちですが
リスクリワードの観点から考えるとおすすめはできません。
勝つときに「2」勝てるからこそ
トータルで利益が残っていくわけなので
チキン利食いを1回するたびに
リスクリワードが狂っていくんです。
あらかじめ決めた利確ポイントまでは決済しない、
エントリーしたら一切チャートは見ない、
それくらいがちょうどいいかもしれませんね。
ロットがバラバラ
ロットがバラバラ、というのも
リスクリワードを狂わす原因の一つです。
ロットを上げたり下げたりしていませんか?
もちろん、優位性が高いことがわかっていて自信がある、
そのうえでリスクを承知でロットをあげているのならいいんです。
しかし、多くの場合そうではありません。
「自信」に明確な根拠がなかったり、
根拠を認識できるほど値動きについて不勉強だったり、
単に損失を早く補填したいからだったり。
ロットを上げたときに100%勝てればいいのですが
もちろんそういうわけにはいきませんよね。
ロットが高い時に負け、
ロットが低い時に勝つ。
一度でもそうなってしまえば
リスクリワードの恩恵は消えてなくなってしまいます。
ロットは常に一定に保つようにしましょう。
ナンピン
「ナンピン」とは
ポジションが逆行した際に、追加で注文を入れることで
建玉の平均値を下げる行為です。
ナンピンは徹底した資金管理に基づいて
戦略的に行うことでメリットにもなるテクニックですが
大抵の場合は、
損失という恐怖から逃げるためだったり
より多くの利益を得たいという欲だったり
およそ戦略的とはいいがたいものでしょう。
そうなるとナンピンもむやみにロット上げる行為でしかなく
普段より大きな負けを被ることになれば
リスクリワードどころの話ではなくなります。
ナンピンはくせになりやすいです。
取り返しのつかない損失を被る前に
ナンピンからは極力遠ざかるようにしましょう。
R倍数を意識する
さて、あなたはどうですか?
毎トレードでリスクリワードを適切に保つことはとても大事ですが
知らず知らずのうちにその恩恵を放棄していませんか?
リスクリワードによる恩恵を守るために
上に挙げたことを避けるのはもちろんですが
ここでは、「R倍数」という考え方も紹介しておきます。
R倍数とは
平均利益幅 ÷ 平均損失幅
によって得られる数値のことです。
任意の期間のトレード結果を集計し
勝ちトレードの「勝ち幅の平均」と
負けトレードの「負け幅の平均」を比べるわけです。
あなたもぜひ計算してみてください。
R倍数が「1.0」以上であれば
平均勝ち幅の方が大きいことになり、
「1.0」未満であれば
平均負け幅の方が大きいことになります。
R倍数が「1.0」であれば
勝率50%で全体の損益はプラマイゼロになります。
R倍数が「1.0以上」であれば
プラマイゼロにするのに勝率50%以下で済みます。
R倍数が「1.0未満」であれば
プラマイゼロにするのにより高い勝率が必要です。
まずは自分のR倍数を把握し、常にR倍数を意識すること。
そして、R倍数が「1.0以上」になるように
トレードに取り組んでみましょう。
R倍数はトレード結果の「平均」から算出します。
つまり、たった一度の大負けが、
あるいはたった一度のチキン利食いが
平均を下げ、R倍数向上の足かせになるのです。
逆に言うと、
「R倍数を1.0以上に保つ」
という姿勢そのものが負けにくい状況を作り上げてくれます。
せひ意識して取り組んでください。
まとめ
「リスクリワード」やその重要性については
そこかしこで語られていますが
その本質を忘れ、ないがしろにしているケースが多々あります。
・値幅がバラバラ
・チキン利食い
・ロットがバラバラ
・ナンピン
あなたのトレードはどうでしょうか?
思い当たるふしはありませんか?
適切なリスクリワードは
勝ちやすく負けにくい状況を作り出してくれます。
「R倍数」とともに
あらためて向き合ってみてください。
それでは。
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