
いくら検証しても勝てるようにならない…
かなり重要視されるトレードの検証作業だが
検証作業が成果につながらず、悩んでいる人は多いだろう。
今回はFXトレードにおける「検証」について
よくある勘違いと、正しい考え方をまとめた。
トレードの世界で検証とは、
主に過去チャートを遡り、値動きを調べることを指すことが多い。
「検証は大事」というセリフは
トレードを学びだすと、いやというほど耳に入ってくるが
果たして一体どれぐらいの人が”正しい検証作業”を行えているだろうか。
実際、「検証」はとても大事ではあるが
「時間の無駄なだけで、なんの意味もない検証」
をやってしまっている人は思いのほか多い。
しかも、自分自身ではそれが正しいと思ってしまっている。
今回は、初心者や勝てないトレーダーがやってしまいがちな
NG検証パターンをいくつか紹介しよう。
これを機に自身の検証作業を見直してみてほしい。
よくある検証の勘違い3選


チャートとにらめっこして、「検証」してる気になってないか?
毎日夜遅くまでチャートを見返して…
それなのに結果が出ない?
だったら今こそ気づくべきだ。
その検証は間違っている。
【勘違い その1】 パターン探し
過去チャートを延々とさかのぼり
”波形”だけを見て
「こうなったらこう動く」
「この形が出たら上がる」
…そんな “絶対パターン” を探してしまっていないか?
ハッキリ言うが、そんなもん相場には存在しない!
相場は人間の心理の衝突によって発生する自然現象だ。
同じパターンが出ても、背景が違えばまるで別物。
その違いに気づけないうちは、いくら“パターン”を集めても無意味だ。
パターン自体に優位性があるわけではない。
優位性はパターンの”背景”に、
そして値動きの原理の中にこそある。
【勘違い その2】 手法の検討
「このインジの組み合わせで勝てるか?」
「もっとエントリー条件を厳しくすれば?」
思いついた手法
YouTubeやSNSで聞きかじった手法
それらを過去チャートに当てはめて「検証」する。
あるいは手法そのものを開発する。
検証作業はそういうものだと思っている人は多いが、
こと”裁量トレーダー”として成長を目指しているなら
実はこれは大きな間違いだ。
裁量トレードとは、
自分の頭で考え、分析し、判断し、決断する
毎日のチャートに柔軟に、臨機応変に対応する
そういうトレードのことだ。
一方で「手法」
つまり「固定されたルール」は裁量とは正反対のもの。
自分の頭で考え、分析し、判断し、決断する
それをしなくて済むように組み上げるものだと言える。
裁量を放棄し、固定ルール化できるのであれば
EAを開発し、システムトレードをやるべきだ。
ただ、残念ながら“勝てる手法”という魔法の杖は、この世にない!
どんな手法も、結局は“そのときの相場にたまたま合っていただけ”でしかない。
【勘違い その3】 確率の計測
「このルールなら勝率70%」
「この形で下がる確率は60%」
──確率を測り、数字で安心したい気持ちはわかる。
だがキミは本当に把握しているか?
そのトレードが“どういう環境下で”起こったのかを。
チャートは大小複数の時間足が重なり合い
互いに影響を与えながら形成されている。
毎日が違う値動きで、その背景は違う。
体力測定で走力を測るときに
走る人間がそれぞれ距離もコースもバラバラなら
なにも比較することができないのと同じだ。
背景が違うデータに意味なんてない。
数字の羅列では、相場の本質には届かない!
形成された過去チャートを見て
「この形で下がる確率は60%」
なんていう判断はたいてい間違っている。
まったく同じ”形”なんてないし、”形”の背景は毎回変わる
”その形にならなかった”場合にはそれをカウントすることはできない。
しかし、それでも多くのトレーダーが
「より正確な確率の測り方」を検討する。
断言するが、そのアプローチでは幸せにはなれない。
検証の目的は「原理の確認と実感」


勝ちトレーダーの検証は、勝ち方探しではない。
目的はただ一つ、値動きの原理を確認し実感すること。
- なぜここで買われたのか?
- なぜここで急落したのか?
- この動きは“誰の意志”によるものか?
チャートはトレーダーの注文によって動く。
「どんな状況」で、「どこ」から買いたいと思われるのか?
そこで実際に「買われた」としたらどんな値動きになるか?
いよいよ「上がり出す」ときに起こっていることとは?
もしも「上がらなかった」としたらどうなる?
必要なのはこういう視点だ。
チャートの形だけをいくら見ていても成長はない。
表面には見えていない、
しかし確かに存在する値動きの原理・トレーダーの心理に目を向けなければ
「未来の値動き」にBETすることはできない。
そう、キミに必要なのは「チャートの形を見る目」じゃない。
値動きの原理を知り、「可能性」を想像する読解力だ!
値動きの原理については以下の記事を参考にしてほしい。
【もしかしてこれが聖杯?】プロトレーダーが値動きのメカニズムを解説します
“訪れなかった未来”に目を向ける
完成したチャートは、結果論のかたまりだ。
勝ち方探しに夢中になると、「もしも」の視点を失う。
- ここで上がらなかったらどうなったか?
- ここまで下がらない可能性もあったのではないか?
- この値動きは必然か?偶然か?
未来は無限に存在している。
検証とは、“起こった事象”だけでなく、
“起こらなかった事象”を考えることでもあるのだ。
”起こった事象”だけが正しい答えだと思い込み
リアルチャートでも同じ事象を求める…
そうなると相場からは裏切られ続けることになる。
トレードとは未来を”決め打ち”するものではなく
複数の可能性から自分自身で「選択」するものだ。
複数の “訪れなかった未来”にも目を向けることこそが
相場の理解を深める最強の学習法だ!
過去チャートである必要はない


検証といえば過去チャートを使うものだと思われがちだが
必ずしもそうである必要はない。
むしろ、未来が確定していない
リアルチャートの方が「可能性」を検証しやすい。
一日の始まりにチャートを見て
どこで、どんな注文が入る可能性があるか
その結果どのような値動きになる可能性があるか
それを考えることはかなり有意義だ。
そのうえで、一日の終わりや翌日に、
実際にはどのような値動きになったか
他にどのような未来の可能性があったか
を考える。
これも十分に意味のある検証作業だと言える。
そして、この方法の最大のメリットは
そっくりそのまま「トレード」に必要なプロセスと同じ、ということだ。
どこで、どんな注文が入る可能性があるか
その結果どのような値動きになる可能性があるか
これらは、トレードの必須プロセスである
「環境認識」と「シナリオ構築」に他ならない。
違うのはエントリーするかしないかだけで
やっていること、考えていることは実戦とまったく同じ。
検証作業と実戦をリンクさせることで
かなり効率的に成長を図ることができる。
実際、私自身、何年もそれを続けており、
「環境認識」と「シナリオ構築」は毎日スクショしてまとめている。
メルマガで公開もしているのでチェックしてみてくれ。
まとめ
あらためて言う。
・パターン探しはやめよう
・必勝手法を求めるのはやめよう
・確率に頼るのはやめよう
それをやっているうちはトレーダーとしての成長は望めない。
時間と労力と資金をただただ浪費することになる。
検証作業でやるべきことは「勝ち方」の皮算用ではなく
「値動き」への理解を深めることだ。
そして、その“理解の深さ”こそが、おのずと勝率を引き上げる!
- 値動きの原理を知る
- トレーダーの心理を読む
- 未来の値動きの可能性を想像し、判断を鍛える
この力が揃ったとき、キミの“相場観”は本物になる!
もちろん一朝一夕では無理だ。
だからこそ、日々の「検証」に“意味”を持たせるんだ。
正しい姿勢で検証に臨んでいるなら
今日キミが見つめたチャートが、波が、ローソク足が、
半年後、1年後に大きな武器となってキミを助けてくれる。
キミの大いなる成長を願う。
コメント