FXで勝ったらどれくらい税金がかかるんやろ?
FX取引を始めるにあたって、誰もが気になるのが「税金」の問題ですよね。
税金について知っておくと、いざ利益を上げたときに慌てず、しっかり対策がとれます。
でも、FXにかかる税金制度が今の形になるまでにはいろいろと変化があったんです。
本記事では、FXの税金、ひいてはFXそのものが時代とともにどう変わってきたか、
その歴史とともに現行の制度を解説していきます!
1. FXのはじまり
そもそも「FX取引」という仕組みが民間に開放されたのは1998年のことです。
今から約26年前。
”歴史”と呼ぶにはまだまだ浅い年月しか経っていませんね。
いつだったか、飲み屋のおじさんが
「おれはFX一筋30年で~…」と話していたのですが
真っ赤なウソだということになります。
民間でFX取引ができるようになったとはいえ
このころはインターネットの普及もままならないころ。
ごく一部の限られた人が電話で取引していたようで
もちろん税制も整備されていませんでした。
しかし、2000年代に入ると個人投資家向けに徐々にFXが普及し始め、
利益に対する税金も整理されるようになりました。
当初、FXの利益は「雑所得」として扱われ、
総合課税というルールで税金が計算されていました。
総合課税というのは、給与などの他の収入と合算して計算される税制です。
例えば、メインの所得が500万円で、FXの利益が50万円の場合、
単純に550万円を課税所得として税金が計算されます。
総合課税は所得が増えれば増えるほど税率が上がる「累進課税」が適用されるため、
収入が高くなるほど、税率も最大50%近くまで上がってしまうのです。
2. FX業者への規制強化
2005年になると、FX業者に対する規制が強化されていきます。
FX業者は金融庁への業者登録が義務付けられ、
電話や訪問によるFXへの勧誘にも規制が入りました。
インターネットの普及とともにFXトレーダーが増える一方で
悪徳な業者もたくさん現れたんでしょうね。
さらに、FX業者は、顧客から預かったお金を
外部の信託銀行などに分けて管理することも義務付けられます。
これによって、FX業者が破綻しても顧客の資産が保全されることになります。
逆に言うと顧客の資産ごとぶっ飛んでしまうFX業者がたくさんいた、
ということなんでしょうね…。
いまでこそFX業者のバックに
顧客の資産を保全するための金融機関がつくことは当たり前ですが、
あなたは自分が利用しているFX会社の信託先を把握していますか?
「え、知らないんだけど」…というひと。
大事な資産を預けるわけだから、いちど確認してみてくださいね。
3. レバレッジ規制
税金とは関係ない部分でも、
FXの取引環境を健全化するための規制はどんどんと進められてきました。
2009年、FX業者に強制ロスカットの仕組みを義務づけ
2010年、レバレッジを50倍に規制
2011年、レバレッジを25倍に規制
このあたりが大きな出来事でしょう。
加速度的に規制が進められいますが、
お国が規制の必要性を感じるほど
「敗者の屍」が積みあがったのだと思うと少しゾッとします…
レバレッジに関しては10倍にする案も出ているようですが
2024年現在のところは実施されていません。
ただし、今も昔も、海外FX業者は規制の対象外です。
海外FX業者を使ってハイレバトレードをすることはできますが
初心者にはおすすめできません…。
4. 分離課税の登場
2012年になると税制が見直され、FX取引による所得に対する税率が
「申告分離課税」に変更されました。
この改正によって、FXの利益も給与などとは別に分けて課税されるようになりました。
この「申告分離課税」の導入で、特に高所得者にとっての負担が軽減されたのです。
そして、2024年現在もこの制度のままです。
分離課税の特徴は、他の所得と切り離されて税率が一律である点です。
これにより、所得が増えても税率が変わらないため、
累進課税のように税率が上がることがありません。
一律20.315%(所得税15%+住民税5%+復興所得税0.315%)
と決められ、多くの投資家にとってメリットのある税制となりました。
私がFXを始めたのはこの税制が施行される直前。
「FXの税金が緩和されるよー!始めるなら今だよー!」
という世間の波に吞まれていったのでしょうね 笑
まぁ、何年間も負け続けて
税制改正の恩恵を受けることは長い間ありませんでしたが…。
また、2012年には損失を翌年以降に繰り越すことができる
「損益通算」や「損失の繰越控除」も適用されるようになりました。
これにより、損失が出た場合でも翌年以降3年間にわたり、
他の利益と相殺して税負担を軽減することができるようになりました。
たとえば、ある年にFXで30万円の損失が出た場合、
翌年の課税所得から30万円を差し引くことができます。
FXを始めて間もないころは
損失が出てもしっかり申告することをおすすめします。
5. 申告分離課税の対象外
分離課税で一律の税制となったことは
トレーダーにとっては有利なことでしたが
一方でこの税制の恩恵を受けられないケースもあります。
そのひとつが「海外FX業者」を利用している場合です。
日本の金融庁に未登録の海外FX業者を使った取引は
あらゆる日本の法律の守備範囲外です。
その収益は雑所得扱いとなり、累進課税が課されます。
そのレバレッジの高さからも海外FX業者は人気ですが、
稼げば稼ぐほど、最大で約50%も税金で持っていかれてしまうのです。
もうひとつは「法人口座」を利用している場合です。
法人口座での収益には法人税が課税されます。
法人税は、法人所得税や法人住民税など、複数の税種の総称です。
個人所得のように一律ではなく、基本的には税額も高くなります。
ただし、法人にすることで経費を使う幅がひろがる面もあるので
やり方によっては節税になることもあります。
安定した利益を出せるトレーダーは個人トレーダーは
法人口座の開設を検討してみるのもいいかもしれませんね。
以下の記事も参考にしてみてください。
【裏ワザ】FXの税金の基本と手取りを増やすためのマル秘テクを大公開
まとめ
FXの税制は、総合課税から分離課税へと進化し、
現在の20.315%の一律課税まで少しずつ整備されてきました。
FXで利益が出たときは、今の税制に合わせて適切な申告をし、
税負担を最小限に抑える工夫をしていきましょう。
余談ですが、海外にはFXの利益にかかる税金が0%のところもあるんです。
シンガポールやUAE、モナコなどがその一例です。
「シンガポール在住のトレーダー」ってよく耳にするでしょ?
日本とは違う税率が、トレーダーが海外移住する大きな理由だったりします。
とはいっても、「税金の支払い方」で悩めるのは勝ちトレーダーの特権ですよね。
節税の仕方や海外移住について検討できるように
まずは安定して勝てるようになりましょう!
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