どうも、専業トレーダーのコウタです。
今回は「FXの税金」について。
ご存じの通り、日本ではお金を稼ぐと
一定の割合を税金として納めなけれななりませんが
FXトレードに伴う利益も例外ではありません。
でも、そもそも税制度って複雑すぎじゃないですか?
税金の種類も、税率も、支払い方もいろいろだし、
控除だとか、健康保険料のことまで考えだすと
訳が分からなくなりますよね。
トレードより難しくない?
と思ってしまいます 笑
私自身、税金の話には苦手意識が強いわけなんですが、
これまでで自分なりに税制度を体感してきてみて
分かったこともあります。
詳しい税制度の解説、
小難しいお話は他の専門サイトにお任せするとして、
本記事では、
- FXの利益に適応される税制度の全体像や
- 個人口座と法人口座の違い
- いくつかの具体的なモデルケース
- 手取りを増やすためマル秘テク
などを噛み砕いてお伝えします。
これからFXで稼いでやる!というあなたにとって
知っておいて損はない内容ですので
どうぞ最後までお読みくださーい!
目次
FXの税金の基本
FXで年間を通してプラスを出せるようになると
「確定申告をして税金を納める」
という作業が必要になります。
「この1年、これだけの利益が出たので
既定の割合で税金を納めます」
と、自ら申告するわけです。
かなり抵抗はありますが
納税は国民の義務ですからね!
FXの利益に対してかかる税率は
およそ 20% です。
その内訳には所得税、住民税、復興特別所得税があって
正確には20%より少し高いぐらいなんですが
とりあえず20%って覚えておけば大丈夫。
FXの税金については基本的にこれだけです。
え?めちゃシンプルやん…
と思うでしょ。
そうなんですよ。
FXの利益は「雑所得」の中の「先物取引に係る雑所得等」
という扱いになるんですが
利率が20%固定で、実はとても分かりやすいのです。
ただし!
これは”国内口座”でトレードしている場合のみ。
”海外口座”で得たトレードの利益は扱いが異なり、
利益額に応じて税率が変わる仕組みになっています。
利益が少なければ税率は低く、
利益が多ければ税率も高い。
小難しい話は割愛して、結論だけを言うと、
海外口座での利益が330万円を超えた時点で、
国内口座で支払う税金よりも高くなります。
逆に言うと利益が330万円を超えるまでは
海外口座の方が税金面でお得、ということになりますが
・損益通算ができない
・損失の繰り越しができない
など特有のデメリットもあります。
色々考えだすとややこしいので、
本記事では、
国内口座 税率20%
でお話をすすめていくことにしますが
…正直、これってめっちゃ高いですよね。
日夜必死でトレードして積み上げた利益から
20%も取られてしまうわけですよ。
おまえらなんもしてないくせに…とは思いますが
納税は国民の義務です。
でも、やっぱり
「せっかくトレードで稼いだお金を
税金で持ってかれるなんて嫌だ!」
「ちょっとでも税金の支払い額を減らしたい!」
と思うわけです。
そこでたどり着くのが
「法人口座」ってどうなの?
ということ。
法人口座について考える
私自身、ある程度稼げるようになってから
法人の税制度についていろいろ調べてみたんですが
これがまたややっこしいんですよ…。
個人の時とは全然違うルールになるし
ケースバイケースな一面もあるので
人によって言うことも違う。
そのうえ、会社設立だとか
役員報酬だとか決算だとか税理士だとか、
よくわからないものが束になって押し寄せてきますからねー。
私の場合、それでもなお、
「法人化」という響きに惹かれ
ノリと勢いだけで法人化を実現したんですが…笑
そこで、ここからは
・「法人化」することで主に税金面がどうなるのか?
・手取り額がどのように変化するのか?
について順を追って解説してみましょう。
先にも言いましたが、
ケースバイケースなところはあります。
私自身の経験をもとにお話ししていきますが
誰しもに当てはまるわけではないかもしれませんので
あくまでモデルケースのひとつとして捉えてくださいね。
①兼業トレーダーの場合
まずは、法人化する前段階である
「兼業トレーダー」のケースを考えてみます。
いきなりトレード1本で生活できる人は少ないですから。
多くの人には本業があるし、
本業の傍らトレード技術を磨き成長していく、
というのがトレーダーのステップアップとして
もっとも一般的ではないでしょうか。
下図は「会社員」との兼業を想定したモデルケース。
私もこの形から始まりました。
本業である会社からの給料が年間500万円だとします。
しかし、健康保険、年金、住民税など
給料の額に応じて差し引かれるものもあります。
で、さらにそこから「所得控除」などを考慮したうえで所得税を支払い、
残った分が手取りとなります。
手続き的には、給与天引きや年末調整という形で
会社側がすすめてくれるのが普通ですよね。
年収500万円なら、手取りは390万円くらいになります。
一方で、FXでの収益が年間300万円あるとしましょう。
FXでの収益は「確定申告」という形で
税務署に対して自分自身で申告する必要があります。
儲けた分に対して税金がかかるわけですが
その際に、FXで収益を得るために必要となった経費を
控除して税金を計算することが可能です。
FXを学ぶために本を買った、とか
スキルアップのためにセミナーに行った、とか
よりよい環境でトレードするためにPCを買った、とか
そういうのが経費として計上可能なわけです。
モデルケースでは経費を50万円と仮定し、
それを除いた分から20%の税金を支払い、
手取り額は200万円となっています。
つまり、
本業の給料とFXでの収益を合わせた800万円のうち、
手元に残るのは590万円ほどになる、というわけです。
うーん、なかなか目減りしますが
健康保険や年金なども支払う必要がありますからね…
妥当だと言われればそんな気もします。
では次に、会社を退職し、
トレード一本に絞ったケースを考えてみます。
②専業トレーダーの場合
トレードで収益を上げられるようになれば
会社をやめて夢の専業トレーダーになる道も見えてきます。
個人口座(国内口座)で専業トレーダーになった場合、
税金や手取り額はどうなるでしょうか?
下図は専業トレーダーのモデルケースです。
専業トレーダーとしての収益が年間800万円あったとします。
会社員時代とは違い、健康保険や年金については
国民健康保険・国民年金に加入する必要があります。
確定申告の際には、
国民健康保険・国民年金・経費などを差し引いたうえで
20%の税金を納めることになります。
(この20%の税金の中には住民税も含まれており、
正確には住民税だけは遅れて納付することになります。)
で、残った536万円が手取りとなるわけですね。
…気付きました?
「兼業トレーダー」として給料と合算していた時の
手取りは590万円だったわけなんですが、
44万円も減りましたよね?
収入の総額はいずれも800万円なのに、です。
この差が何なのかというと
「給与所得」には「給与所得控除」という
有利な制度があるおかげなんです。
給与所得控除とは、
「サラリーマンにも経費は必要だよね」という考えのもと
自動的に一定額を控除して税金を計算する、という
会社員にはありがたい制度のこと。
雑所得して得る収入よりも、
給与所得として得る収入の方が
支払う税金が少なくなるのです。
喜んで専業トレーダーになった人にとっては
なんだか損した気分になり、
「法人化したらどうなるのか?」
というところに思い至ります。
ということで次は、法人化したケースを考えてみましょう。
③法人化した場合
FXでの年間収益を800万円だとして
法人化した場合のモデルケースがこちら。
なんだか複雑になりましたが順を追って解説します。
まず、法人化することで
「会社」と「個人」という2つの登場人物に分かれることになります。
FXの法人口座で得た800万円の収益は「会社」のものです。
それを「個人」が受け取るには会社から”給料”をもらう形になります。
給料を会社の役員が受け取る場合は”役員報酬”という言い方をします。
会社から500万円の役員報酬を払い出したとすると、
この500万円の扱いは会社員の給料の時と同じ。
500万円から健康保険と年金、住民税を支払い、
さらに「給与所得控除」などで控除できる分を差っ引き、
税金を納めたあとの手取りが390万円です。
給与天引きや年末調整などは会社側の手続きですが、
自分の会社なので自分でやることになります。
面倒な手続きや計算を自分でやらなければならないことを除いて、
給料については会社員の時とほぼ同様なんですが、
「会社」目線で考えると役員報酬以外にも
支払わざるを得ない費用があります。
それが「社会保険料」です。
社会保険とは、つまり”健康保険・厚生年金”のこと。
給料を払い出す会社には、
「社会保険」という仕組みに加入する義務があります。
給料の額に応じて、健康保険と厚生年金の額が決まり、
そのうちの半分を給料をもらう個人側が、
そしてもう半分を会社側が支払う、というルールになっています。
役員報酬が年500万円であれば
年間の社会保険料は約140万円にものぼります。
これを個人と会社で70万円ずつ折半し、
毎月負担しているわけですね。
さて、役員報酬を支払い、社会保険料を支払い、
あとは「経費」として使った分を差し引けば
その残りが会社としての「利益」ということになります。
この「利益」に対しては「法人税」が課されますが、
その利率は個人のときとは違います。
一律20%という分かりやすい税制度ではなく、
利益額に応じた利率と
法人ならではの小難しいルールがあるんですが…
結論から言うと、上図のケースでは
25%ほどを税金として納めることになり、
会社としての手取りは135万円になります。
800万円の収益から500万円を役員報酬とした場合、
役員報酬としての手取りが390万円
会社としての手取りが135万円
合計で525万円ですね。
おや…?今までで一番手取りが少ない…?
そうなんです。
単純に「法人化すれば節税になる」というわけではなく、
経理作業、決算、税理士への依頼など
大変なことが増える割にはぜんぜん得にならないのです。
いったんこれまでの流れをまとめると
会社務めの兼業トレーダーの場合、
年間収益800万円に対し、手取りが590万円
会社を退職した”個人”の専業トレーダーの場合、
年間収益800万円に対し、手取りが536万円
そして、”法人”の専業トレーダーの場合
年間収益800万円に対し、手取りが525万円
条件をそろえて単純に比較しただけですが、
専業より兼業の方がお得やん!
法人より個人の方がお得やん!
という結果になりました。
まぁ800万円よりももっと大きな金額になれば
また話が変わってきたりもしますし
法人であれば経費の”幅”も増えて
よりテクニカルな節税方法もあったりします。
なので、「法人化は損」と一概に言い切ることはできず、
工夫次第ではより良い条件を創り出すこともできます。
次は、私自身が実践する
法人化も含めたマル秘テクをご紹介しましょう。
手取りを増やすマル秘テク
ここまでの流れを実際に経験して、私が一番感じたのは
社会保険料高くない?
ということです。
社会保険料は個人と法人で折半して負担するので
自らが法人化したときは実質2倍。
かなりの金額になります。
役員報酬として支払う額が多ければ多いほど
個人としての所得は増えることになりますが、
その分の社会保険料がアップしてしまいます。
そこで思いつくのが、
役員報酬を減らして「法人の利益」としてお金を残せば、
社会保険料の負担を減らせる分、より多くの利益を残せるのでは?
ということです。
この作戦を図にするとこうです。
役員報酬を年間60万円に設定。
社会保険料も最低レベルの安さになります。
法人から個人への払い出しが下がった分、
目論見通り、法人に残るお金が多くなることになりますが、
図を見ても分かるように、
実はこの場合、「法人税率」が跳ね上がります。
利益額が上がるほどに税率も上がるのが法人税です。
そのため、法人の利益677万円にかかる法人税は
実に40%。
税引き後の利益と、役員報酬の手取りを合わせても
453万円にしかならず、これは完全に作戦失敗…。
法人税の高さに驚愕しつつ、
それならば!と次に考えたのが
「個人口座と法人口座の二刀流」です。
法人口座でのFX収益から
社会保険料が最低額になるように役員報酬を出す。
そして、必要経費が支払えるだけの収益に留めておいて
あとは税率の低い個人口座でガッツリ稼ぐ。
この作戦を図にするとこうです。
社会保険料を抑えるために役員報酬は最低限に。
さらに法人に利益を残すと税率が高くなるので
法人の収益も最低限の経費が払える程度に調整。
実質の収益を個人口座に集中させることで、
「一律20%」という税率を享受する。
こうすることで、
最終的な手取り額は583万円となり、
単に、個人口座一本で、
または法人口座一本で運用するよりも
より多くのお金が手元に残ることが分かりました。
個人と法人との税率の違いだけではなく、
保険と年金にかかるお金も含めて考えることで
より良い形をつくることができましたね。
現在の私はこの形が基本ベース。
そのうえで例えば、
車を経費で買うために法人口座の売上を上げる
というようなかたちで
「必要経費」によって法人口座の利益をコントロールしながら
運用しています。
まとめ
さて、FXにまつわる税金のお話、
さまざまなケースでの「手取り額」の違いを見てきました。
・個人と法人の税率の違い
・個人口座と法人口座を使い分けること
・社会保険料は「法人から出る給料」で決まること
これらのポイントに注目することで
手取りを多くするためのテクニックも紹介しました。
ただ…やはり、
「兼業」の状態がもっとも手取り率が多かったことも事実です。
「会社員」として給料を得ていれば、
社会保険料も個人負担分だけで済むし
「給与所得控除」のおかげで税金の面でもかなり有利。
FXによる収益をあくまで”副業”としておくことで
結果「手元に残る金額」でかなり得をすることになります。
しかも自分でやることと言えば確定申告だけ。
専業になって、法人化して、個人口座とも使い分けて、ともなると
法人設立、確定申告、決算、経理処理、税理士への依頼…
頭が痛くなるミッションが山のように発生しますからね…。
もちろん、
・勤め先に副業がバレることを避けたい
・会社に縛られない自由な生活がしたい
・自分自身の力だけで生きられるようになりたい
など、さまざまな理由や想いがあるでしょうから
結局”なにが正解かは人による”ということにもなります。
大切なことは、
選択肢を知り、納得をしたうえで
”自分にとって”いちばんの選択をすること。
本記事が、
それを考えていただくためのものになれば幸いです。
今回は以上です。
それでは。
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