どうもこんにちは!専業FXトレーダーのコウタです。
本ブログは、数々の負けトレード、失敗を重ね
ボロボロの借金製造トレーダーになりながらも
なんとか専業トレーダーにまで這い上がった経験を活かし、
FXトレードの役立つ情報を配信しているわけですが…
今回は「私の人生最大の損切り話」をしようかなと。
この話をしようと思ったのは、
トレードのテクニックや理論、哲学みたいなことだけを
えらそうに語ってばっかりではズルいな、とか
反面教師にしてあなたにも気を付けてほしいな、という想いから。
あとは、単純に他人の失敗談はみんな好きでしょ?笑
なので今回は”笑い話”として気楽に読んでいただければ。
ま、とにかくいってみましょう!
最大の含み損・損切りの入り口は何気ないいつものトレード
意外に思われるかもしれませんが、
私が人生最大の損切りをしたときって
トレードで勝てるようになって脱サラした後、なんですよね。
トレード一本でやっていくぞー!
と考えて1年が経過しようかという頃でしょうか。
そのころは「これを続けてたら資金は増えるんだ」っていう
自分なりの手法を確立していて、
この先もトレーダーとしてやっていく自信もあったし、
少しづつロットを上げたりしながら
稼げる金額をどんどん増やしていくぞー!って思ってました。
それがまさかあんなことになるとは…
「その時」は突然やってきます。
当時の私は、もっと多くの利益を得るために
「ロットを上げようかなー」
「今のままじゃだめだよなー」
「もっと稼いで”安心”がほしいなー」
そんな風に思っているさなかでした。
その日トレードした通貨ペアはドル円。
連日の下げの継続を狙い売り目線。
「ここでこうなったら売ろう」っていうイメージ通りの値動きになり、
NY時間、23時ごろに自信満々にショートしたことを覚えています。
ロットを上げることを検討しつつも、この時はいつも通りのロット。
当時の私の”通常弾”は50万通貨。
50万通貨で20pips~40pipsぐらいを狙いに行くスタイルです。
法人口座なのでレバレッジは100倍。
50万通貨の必要証拠金は100万円ほどです。
それでも証拠金維持率に余裕があるだけの資金はありました。
「トレーダーが考えるべきことはすべてエントリーの前」
「エントリー後にあれこれ考えても仕方ない」
そんな持論を持っていたこともあり
チャートから目を離すこと自体は特段めずらしいことではないんですが、
エントリーから10分後にチャートを見て驚愕。
「何かあったの!?」っていうぐらいに急騰しているではありませんか!
し、しかも損切りを入れていないではありませんか…!
一応言っておきますが、
当時から「損切りの大切さ」はよくわかっていた”つもり”です。
エントリー前に損切り位置を決めて、
リスクリワードを考慮した上でのトレードを徹底していました。
もちろんこの時も例外ではありません。
「ここで損切る」というレートは事前に決めてはいたんですが、
気が抜けていたのか、調子に乗っていたのか、
自信のあるトレードだったからか、はたまたそのすべてか…
10分後にチャートに戻った時に何事もなければ
損切りの逆指値注文をセットしていたことでしょう。
いつもの感覚なら”多くても20~30pips”
これが私が許容している損切り幅です。
それが、チャートに戻った時点でマイナス50pips。
含み損は25万円オーバー。
すぐにニュースを確認しましたが、
どうやらFRB議長(アメリカの中央銀行の偉い人)が、
なにか重要な発言をしたみたいでした。
“要人発言”の確認を怠ったことも痛恨のミスです。
とはいえ…、とはいえですよ?
それだけのことと言えばそれだけのことなんです。
「あちゃー急騰してる!しかも損切り入れてなかった!
そんな時に限って要人発言もチェックしてないし!
50pipsだけど仕方ない。次から気をつけよ…」
(損切りスパッ)
本来はそれで済む話なんですよね…。
最悪の行動が招いた最大の損切り
直上に「ここで一旦は反応するか」っていうラインがあったんです。
で、「ロットを上げたいと思ってる」って言ってたでしょ?
…やっちゃったんですよ、禁断の”ナンピン”を。
しかも、追加で100万通貨(苦笑)
ラインの位置が最初のエントリー位置からマイナス60pipsぐらい。
ここでロット数を3倍の150万通貨にすることで、
「150万通貨だけどマイナス20pips」っていう状況になる。
「20pipsなら当初の損切り許容範囲内だよね…?」
「このラインを超えたら損切り、でいいよね…?」
「ロットを上げたかったからちょうどいいじゃない」
「30万円超…まあ資金の割合から考えると大したことないでしょ」
この時点で、自分では気づいていませんが
“正常な判断”がまったくできていません。
久しく会っていなかった「もう一人の自分」に
精神を乗っ取られてるんでしょうね…
このあと、ラインで値が止まることはほぼ無く、
むしろさらに上昇が加速していきました。
ここで泣く泣く損切り
…をしていたら大惨事にはならなかったんです!
なんと、あろうことか、
さらに追加で300万通貨を叩きこみました(笑)
「急騰のあとに急落はつきもの」
「今日までの下落に対する戻り売りが入るはず」
「ラインを”行き過ぎて”落ちてくる、なんてよくあること」
「3倍ナンピンすれば大抵は助かる」
損切りの話は一体どこへ行ったのか???
450万通貨に膨れ上がったロットを尻目になおも上がり続けるチャート。
450万通貨になった地点からさらに30pips上昇したころ、
含み損は180万円を突破。
「…さすがにもうすぐ一旦下がるはず(ガタガタ…)」
もう損切りなんて思考の彼方。
「助かりたいならやるしかない」
そんな思いに駆られ、さらに450万通貨を投入(!!!)
合計900万通貨、正気の沙汰ではありません。
激しい動悸と下がる体温を感じながら、
「ダイジョブ…タスカル…ナントカナル…サガレ…サガレ…」
しかし現実はホントウに無慈悲なもの。
信じられないくらい高値を更新し続けます。
最初のエントリーから150pips
900万通貨になってから50pips上昇。
この時点での含み損が630万円です…
900万通貨の必要証拠金は約1800万円にもなります。
“証拠金維持率”は123%。
100%を下回れば「強制ロスカット」です。
証拠金の総額、計算できる人は計算してください。
何がやばいかって、その内の約半分は「借りたお金」なんですよぉ…(泣)
あんなに証拠金に余裕があったのに、
気付けば「強制ロスカット」の射程圏内に…。
頭の中は「ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ」
とほぼ思考停止状態。
しかし、チャートはまだ上がり続けます。
すっかりおかしくなった私の頭が選択したのは
100万通貨の追加
もはやどんな思考をしていたか定かではありません。
自分のことながらドン引きです。
これで合計1000万通貨。
平均レートからはマイナス80pipsを突破。
つまり800万円以上の含み損です。
証拠金維持率は106%、強制ロスカット目前です。
でもね…ようやくここから下がり始めたんです。
800万円以上あった含み損が見る見るうちに減っていきます。
600万円…500万円…400万円…
かなりの急騰だったため落ちるのも早い。
300万円…200万円…
「ひょっとして建値に戻るのか!?」
と思いましたが、当然「押し目買い」が参入してきます。
200万円…300万円…400万円…500万円…
再び膨れ上がる含み損を見ながら
「うぁああああああぁぁん……」
と奇声を発する私。
もういちど800万円まで上昇すれば、
私の精神はどうなってしまうかわかりませんでしたが
再度マイナス200万円のところまでもう一度下がってきたとき、
「これ以上下がらないかも…」
「次に押し目買いされれば高値を更新するかも…」
「ここが最後のチャンスかも…」
「早くこの地獄から解放されたい…」
様々な思考が頭を駆け巡った結果、
ついにここで”損切り”を決行したのです。
マイナス200万円が確定。
「200万円…最悪…シンジラレナイ…」という絶望感
「800万円失わずに済んだ」という安堵感
「いまだそんなトレードするんだ?笑」という失望感
朝方まで高額含み損のストレスと戦い続けた疲労感
いろいろな想いを胸に壮絶な夜が終わりを迎えました。
最大の損切りから得た教訓
いかがだったでしょうか。
金額的に誰もが体験できる話ではないと思いますが、
- 損切りできない
- ナンピンで痛い目に合う
- コツコツドカン
この辺りは経験済みの方も多いはず。
当然、これらは避けるべきこと。
早急に改善が必要な負け方です。
コツコツドカンの原因と対策はこちらの記事をどうぞ
しかし、今回紹介した一件で何よりも痛感したのは
いくら上達しても『もう一人の自分』がいる、ということ。
しっかりしたトレードルールを確立しても
鉄の自制心を手に入れたとしても
“カレ”が自分の中から消えるわけではありません。
なにかのきっかけ1つで、抑えこんでいたはずのカレは現れます。
そうなれば、「普段の自分」とはチェンジ。
しかもチェンジしたことに気づくこともできない…
私は、この一件以降、「慢心」「余裕」「油断」を捨て去り
一回一回のトレードに全身全霊で、
後悔のないように臨むようにしています。
幸いあれ以来、同じような事態には陥っていませんが、
少しでも心に隙をつくればたちまち”カレ”に乗っ取られる、
という自分の弱さを自覚した上で日々を過ごしています。
「勝ちトレーダー」「負けトレーダー」なんて言っても、
しょせん”現時点”での暫定的な話に過ぎません。
「勝ちトレーダー」で居続けることの大変さが身に染みた一件でした。
あわせて読みたい記事
【FX負けトレーダーに贈る】”最悪の状況”から抜け出すために実践した5つのこと
私がFX初心者のころにやってしまったトレードの失敗談7選。当てはまったら要注意です
コメント